http://www.yoshidak.com/
最終更新日:8:38 99/01/24
目次へ

赤いバーをクリックすると頁の先頭に、
青い字 のところをクリックすると 関連する項目へ飛ぶようにできています。

落ち目のTQC(TQM)

1.個人の尊重?
2.QC7つ道具
3.日科技連の偉い先生



1.個人の尊重?
  TQCを始めた頃、日科技連は「TQCは従業員の自主性を尊重し、明るく楽しい   職場を作ります」と不動産屋も顔負けする宣伝をして私の勤める会社にも入り込ん   できた。   勿論TQCの理念を理想通り実行できればそうなるのだろうが運営する人の資質   (日本人の体質的なものと言っても良い)で似ても似つかぬものになってしまう。   典型的な事例を挙げてみよう。   活動を始めたばかりの頃、@TQCは全員参加でなければならない。Aベクトルを   一致させなければならない。と言って大規模キャンペーンが始まった。   その中で「金太郎飴の話し」があった。   とある会社へTQCの大先生が行き、部長さんに「今年の社長方針は何ですか」と   聞いたそうです。同じように課長にも一般従業員にも聞いたそうです。さらに、ご   ていねいに守衛さんや用務の人にも聞いたそうです。   なんと驚くなかれ、全員が社長さんの方針を正確に大先生に伝えたそうです。   大先生曰く、「さすがにこの会社はTQCを熱心にやっているだけのことはある。   上位の意思が末端まで正確に伝わりベクトルが完全に一致している。どこを切って   も同じ顔が出てくる金太郎飴みたいで敬服した。こういう会社は強い。」・・・   私は金太郎飴だけには絶対なりたくない。

2.QC7つ道具   さて、活動が始まるとすぐに出てくるのが「QC7つ道具」だ。「新QC7つ道具」   というのもある。私はQCの基本は層別とパレートの原則だと思っているしこの点で   はQC活動は非常にメリットのある活動だと今でも思っている。   しかし、変な運営者にかかると悲劇的と言うか喜劇的な展開になる。   「ただいまの発表は大変良かった。欲を言えば(これが決まり文句)もうそろそろ   7つ道具をもっと使って欲しかった」「この次の発表では統計的手法(SQC)を使った   改善事例を発表して欲しい」「そろそろ特性要因図を卒業して・・・」   道具を使うために改善活動をやっているのではないのだが、分かりきったことに後付   けで手法を使い、「苦労をしたがナゼナゼを繰り返し、上司の協力もあって目標を達   成できました」という、いわゆるQCストーリーで飾り立てる。   外部で発表するものになると何人ものスタッフが寄ってたかってお化粧直しをする。   私の経験では、このQCストーリーが浪花節スタイルの美談調であれば、内容はそれ   程でなくても大体いい点数を取ることができる。   形や道具にとらわれ、発表することが目的になってしまうのである。   

3.日科技連の偉い先生
  活動を何年かやって、ある日、QC診断を受けるということになった。   日科技連から偉い先生(殆ど大学教授)がきて会社の問題点を診断して下さるという   ものだ。   この準備というのが尋常ではない。膨大な工数をかけ、これまでの活動の経緯や各部   門の組織・活動内容の資料を作成しなければならない。   おまけに先生に質問し、ご指導を仰ぎたい点を前もって用意しておかなければならない。   さらに当日は先生のおしゃったことを細大漏らさず記録するための記録員をつけ、先生   がおられる部屋へ入る時の礼儀作法まで事細かに指示がある。   「入室する時はノックをして『失礼いたします』と言って一礼し、先生の前に直立して   自部門の説明を行う・・・」先生は煙草をくゆらし、足を組んで我々に質問をする。   その間直立不動で答えろと言う指示だ。   金を払っている側が、一方的に弱者と無能者の立場を取らなければならないのだ。   いくら大学の教授と言っても、何も知らない会社へ突然来て、通り一遍の資料を見て   なんだかだと御託宣を述べられるという心臓が私には理解できない。   確かに的をついた指摘は沢山あり、さすがだなと思うことはあったが、偉い先生に言わ   れなくても分かっていることの方が圧倒的に多いのである。   こういう形式的、権威主義的なことを批判を許さずやるからアンチQC派が増えたのだ   と思う。